英検2級の合格を目指す方にとって1次試験の突破の大きな壁となるのがライティングでしょう。
リーディングやリスニングは独学で勉強することが容易で、現在は数多くの良質な参考書が書店に並んでいます。
しかし、ライティングは回答の自由度の高い試験であり、文法や単語の知識があっても「ライティングのルール」を知らないと太刀打ちすることができません。
知り合いに英語に詳しい人がいて採点してもらえるとしても、「英検のライティング」に詳しいとも限りません。
では、どのように対策をしていけばよいのでしょうか?
英検2級におけるライティングとは
まずは「敵を知る」ということが大事になります。
英検2級におけるライティング試験についての基本的な知識まとめたので、まずはここを抑えておきましょう。
英検2級におけるライティング試験の概要
英検2級のライティング試験は、2016年度から新たに導入される形となりました。
これは、英語の4つの主要な技能(読む、聞く、話す、書く)のうち、書く能力を評価するためのものです。
この試験の形式としては、特定のトピックに基づき、自らの意見やその根拠を英語で表現することが求められます。例として、インターネットでの買い物に関するトピックが出題され、その未来の展望について意見を述べるような形になります。そして、回答する際の文の長さは、おおよそ80から100語程度とされています。
この新しいライティング試験の導入は、英検がより実践的な英語能力を評価するためのステップとして行われました。特に、高等教育機関の入試での4技能評価の重要性が高まっている現状を受けての変更となります。
英検2級におけるライティングの重要性
英検2級のライティング試験は、英語能力の多面的な評価を目指しています。以下に、その重要性を簡潔にまとめます。
総合的な英語力の評価:
英検は4つの主要なスキル(読む、聞く、書く、話す)を評価することで、英語の総合的な能力を判断します。ライティングは、この中でも特に英語を活用して情報を伝える能力の評価に注目しています。
思考の整理と表現:
ライティング試験は、受験者が与えられたテーマに対してどれだけ論理的に考え、それを英語で表現できるかを評価します。これは、実際の英語使用シーンでのコミュニケーション能力を示すものとなります。
国際的な視野の獲得:
この試験を通じて、異文化間のコミュニケーションスキルや、適切な言葉選びの重要性を学ぶことができます。
文章の構築能力:
英検のライティングでは、文章の流れや構成にも焦点が当てられます。明確なメッセージを持つ、構造的に整った文章を書く能力が評価の対象となります。
総じて、英検2級のライティング試験は、単に言葉の知識だけでなく、それを活用して効果的に情報を伝える能力を評価するものとして位置づけられています。
英検2級におけるライティングの採点基準
英検2級のライティング試験の採点基準について、以下のようにまとめられます:
内容:
この部分では、与えられた課題に対する回答が適切かどうかが評価されます。ただし、文法的に正しい文章を書くだけでは不十分で、課題の要求に応じた内容をしっかりと答える必要があります。また、自分の意見だけでなく、その意見を支持する理由も明確に示すことが求められます。
構成:
文章が読み手にとって分かりやすく、論理的に整理されているかが重要です。つまり、文章の流れやつながりが自然であること、接続詞を適切に使用して情報を繋げる能力が評価されます。
語彙:
試験では、同じ単語やフレーズの繰り返しを避け、多様な語彙を使用することが期待されます。また、スペルミスを避けることも重要です。
文法:
文章の中で多様な文型や表現を使用することが求められます。同じ言い回しを繰り返すと、文章が単調になってしまうため、様々な文型や表現を使いこなすことが推奨されます。もちろん、文法的な誤りも減点の対象となります。
総合的に見て、英検2級のライティング試験では、16点満点中9点が合格ラインとされています。
英検2級のライティングを上達に必要な練習問題・予想問題
それでは実際に、英検2級におけるライティングの練習問題をいくつか見ていきましょう。おおよその傾向がつかめると思います。
練習・予想問題1
● 以下の TOPIC について,あなたの意見とその理由を2つ書きなさい。
● POINTS は理由を書く際の参考となる観点を示したものです。ただし,これら以外の観点から理由を書いてもかまいません。
● 語数の目安は80語~100語です。
● 解答は,解答用紙のB面にあるライティング解答欄に書きなさい。なお,解答欄の外に書かれたものは採点されません。
● 解答が TOPIC に示された問いの答えになっていない場合や,TOPIC からずれていると判断された場合は,0点と採点されることがあります。TOPIC の内容をよく読んでから答えてください。
TOPIC
In recent years, urban farming, where people grow food in cities, has become more popular. Do you think urban farming will play a significant role in future food production?
(近年、街中で作物を育てる都市型農業がより人気になっています。あなたは都市型農業が将来の食糧生産において重要な役割を果たすようになると思いますか?)
POINTS
● Space
● Environment
● Health
上記は典型的な英検2級のライティング問題の例です。(和訳は本来ついていません。)
時事的なトレンドについての賛成・反対を述べて、理由を2つ構造的に答えるという形式が一般的です。
また、各問題には「POINTS」が付いています。「POINTS」は意見を考える上でのヒントとなります。
例えば上記ではSpace(スペース)という単語があります。都市型農業とスペースの関連性で言えば、例えば「様々なスペースを活用すること」や「都市内でのスペース確保は大変である」といったような考えがあり得ると思います。
ライティング試験では独自性の高い素晴らしい意見が求められているわけではありません。アイデア自体は一般的な物で良いので、POINTSからアイデアを拝借して文章を作成することに時間を使いましょう。
練習・予想問題2
それでは下記にいくつかの例題を作成したので、傾向をつかんでみてください。実際に解いてみてもよいかもしれません。
TOPIC:
With the rise of online learning platforms, do you think traditional classrooms will become obsolete in the future?
(オンライン学習のプラットフォームが増えるにしたがって、伝統的な教室は廃れると思いますか?)
POINTS:
Interaction
Accessibility
Learning Environment
練習・予想問題3
TOPIC:
As electric vehicles (EVs) become more popular, do you believe they will eventually replace gasoline-powered cars?
(電気自動車がより人気になるにつれて、ガソリン車にとって代わると思いますか?)
POINTS:
Environmental Impact
Cost
Infrastructure
練習・予想問題4
With the increasing popularity of plant-based diets, do you think more people will adopt vegetarian or vegan lifestyles in the future?
(植物性食品を中心とした食事法の人気が高まることによって、より多くの人々が菜食主義やヴィーガンとしての生活を送るようになると思いますか?)
POINTS:
Health Benefits
Ethical Reasons
Environmental Concerns
練習・予想問題5
TOPIC:
As remote work becomes more common due to technological advancements, do you think most companies will adopt a fully remote work model in the future?
(技術の発展により、リモートワークが人気になることによって、ほとんどの企業が完全なリモートワークを採用すると思いますか?)
POINTS:
Work-Life Balance
Productivity
Company Culture
練習・予想問題6
TOPIC: Given the advancements in artificial intelligence, do you think AI will take over jobs that are currently done by humans? (人工知能の進歩を考えると、現在人間によって行われている仕事をAIが引き継ぐと思いますか?)
POINTS:
Job Displacement
Efficiency and Accuracy
Human-AI Collaboration
練習・予想問題7
TOPIC: With the growing awareness of mental health issues, do you believe that mental health education should be integrated into school curriculums? (メンタルヘルス問題に対する認識が高まる中で、学校のカリキュラムにメンタルヘルス教育を組み込むべきだと思いますか?)
POINTS:
Stigma Reduction
Early Intervention
Overall Wellbeing
練習・予想問題8
TOPIC: As 3D printing technology continues to develop, do you think it will significantly disrupt traditional manufacturing industries? (3Dプリント技術が進化し続ける中で、伝統的な製造業を大きく変えると思いますか?)
POINTS:
Customization
Production Costs
Supply Chain
練習・予想問題9
TOPIC: Considering the rate of urbanization, do you think cities will be able to sustainably manage the influx of population in the future? (都市化の進行を考えると、将来、都市が人口の流入を持続可能な方法で管理できると思いますか?)
POINTS:
Infrastructure Development
Environmental Sustainability
Quality of Life
練習・予想問題10
TOPIC: With the increase in data breaches and cyber-attacks, do you believe that cybersecurity should become a mandatory part of education? (データ侵害やサイバー攻撃の増加を鑑みて、サイバーセキュリティを教育の必須部分にするべきだと思いますか?)
POINTS:
Personal Safety
Economic Security
Digital Literacy
英検2級のライティング問題をネット上で解く際のデメリット
さて、ここまで見てきたように傾向や問題の内容などはつかめてきたと思います。
また、上記のような練習問題はネット上にあふれているためネット上だけで、対策ができてしまいそうですよね。
もちろん、要領の良い人であれば英検2級のライティングレベルであればネット上の対策だけで合格点が出せてしまうかもしれません。
しかし、一般的には下記のようなデメリットがあります。
①採点者がいない
ネット上での練習問題は解くまでは良いですが、作成した文章が良いのか悪いのか、改善点はどこなのかを誰かに見てもらうということはできません。そのため、自分の答えが正しいのか、どの部分を改善すべきなのかの具体的なフィードバックを受け取ることが難しいです。
②模範解答だけが正解ではない
オンラインの練習問題には模範解答が付いていることが多いですが、ライティングには多様な答えが存在します。模範解答に固執するあまり、自分独自の意見や表現を封じ込めてしまうリスクがあります。
③問題数に限りがある
ネット上の練習問題は数に限りがあり、同じ問題を繰り返し解くことになる可能性が高まります。新しいトピックや視点に触れる機会が減少すると、実際の試験での対応力が低下する恐れがあります。
④振り返りがしにくい
オンラインでの練習は、過去の回答を振り返るのが難しく、自分の成長や改善点を確認するのが不便です。定期的なセルフチェックや進捗の確認が難しくなり、効果的な学習が妨げられる可能性があります。
英検2級のライティングを上達したいなら採点をしてもらえるサービスを利用しよう
上記のようなデメリットを考えると、やはり採点してもらえるサービスがベターな選択肢ではあります。
合格だけを目指すのであれば、独学の方がお金もかからず良い選択肢に見えます。しかし、今後も英語力を伸ばしていくとなると、変な癖をつける前にきちんと採点してもらうのが良いでしょう。
ここでは、「お金を払ってもよいので、採点してもらえるサービスが良いかも」と思ったあなたに、おすすめのサービスをいくつか紹介します。
是非参考にしてください。
アイディー
「アイディー」とは、世界中の英語専門家による24時間対応のオンライン英文添削サービスです。このサービスは、ユーザーが持ち込む課題の添削だけでなく、3,000以上のオリジナル課題を通じて、日常会話から試験対策までの英文学習が可能です。特に、英文と日本語文を比較して添削することで、日本語のニュアンスを自然な英語で表現するスキルを磨くことができます。さらに、解説やアドバイスも日本語で受け取ることができるため、英語初心者でも安心して利用できます。
価格面でも、1回あたり166円からというリーズナブルな設定がされており、多くの英文添削を受けたいユーザーにも優しい価格となっています。また、公式アプリを通じて、効率的に学習を進めることができます。
アイディーの特長として、ユーザー自身が書いた英文をオーダーメイドで添削することで、実際に使う英語表現を効率的に学ぶことができる点が挙げられます。これにより、ユーザーは自分の英文のミスを理解し、正しい英語表現を身につけることができます。
ベストティーチャー
ベストティーチャーの「英検対策コース」は、英検の試験対策を目的としたオンライン英会話スクールです。このコースでは、旺文社の問題集『英検®対策シリーズ』を基にしたレッスンが提供され、特にライティングとスピーキングの対策が重点的に行われます。生徒は、エッセイや面接の台本を「書いて」準備し、それを外国人講師が添削。さらに、本番を想定した面接の練習も行えます。
レッスンの流れは以下の4ステップです:
Writing:選択した問題を基に英文を作成し、講師とオンラインでやり取り。
添削:作成した英文を外国人講師が添削し、正しい文法や自然な表現を学ぶ。
トレーニング:添削後の英文を使い、シャドーイングやボイスオーバーなどの練習を行う。
Speakingレッスン:添削後の英文を読み上げ、フィードバックを受け取る。
ベストティーチャーには、英検対策に詳しい講師が多数在籍しており、生徒はその中から適切な講師を選ぶことができます。また、無料体験レッスンも提供されており、気軽にサービスを試すことができます。有料会員になると、月額16,500円(税込)で受講回数の上限がなく、柔軟に学習を進めることができます。
マイチューター(添削くん)
「添削くん」とは、英作文の添削を専門の講師が行い、その結果をメールで返信するサービスです。以下はその主な特徴と注意点です:
特徴:
添削の質: 専門の講師が細かく添削し、48時間以内に結果をメールと「添削履歴」で提供します。
利用方法: キーボードタイピング(例:TOEFL iBT)や手書き(例:英検)の両方に対応しています。
料金: 他社に比べて低価格で、例えばTOEFL iBT Task 1(180ワード)は580円から利用できます。
添削対象: TOEFL、IELTS、英検、ビジネスレター、エッセイなど、最大500単語までの英文が添削対象です。
利用プロセス: 問題の選択、解答文の入稿、ポイントの消費、添削結果の受け取りの4ステップで進行します。
注意点:
無料体験は利用不可。ポイント制または月額制での利用が必要。
添削結果に関する質問は基本的に対応しない。ただし、ポイントを使用して質問することは可能。
入稿後のキャンセルは受け付けない。
スマホやiPadでの利用には注意が必要。特に回線速度やOSのバージョンに関する制限がある。
キーボード入稿と手書き入稿では、ポイントの消費方法が異なる。
このサービスは、従来のスカイプやZOOMによるライティングレッスンとは異なり、メールベースでの添削を主としています。
まとめ
ここまで読んでくださり誠にありがとうございます。
恐らくこの記事にたどり着いたあなたは、ネット上の練習問題をたくさん解きたいか、良質な練習問題を解けるサービス、本などを探していたと思います。
独力に自信がある人は、なるべく費用をかけないで、いろいろな練習問題を探して解いてみてください!
あまり自信が無い!という方はぜひ紹介させていただいたサービスや、その他のツールなどを利用して、採点してもらいながらライティング力を向上させましょう!