日本人の英語力は低い?EF EPIによる調査結果が発表

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「日本人は英語が話せない」

「日本人の英語力は世界的にみても最低レベル」

このように言っている人、周囲にいませんか?確かに日本人として「英語が得意な国です!」とは胸を張って言えないのが現状です。

学校で英語の授業が好きだった人であれば、簡単なコミュニケーションや、特にリーディングなどはそれなりにできるでしょう。

しかし、多くの人は街中で英語でしゃべりかけられると「そ、そーりー」となってしまいます。

そんな日本人の英語力を客観的な指標で表した調査結果がイー・エフ・エデュケーション・ファーストより発表されています。

EF EPIとは

EFEPI2022
https://www.efjapan.co.jp/epi/より引用

EF EPI(EF English Proficiency Index)とは、EF英語標準 テスト(EFSET)や、EFの英語実力テス トを受けた210万人を超える非英語圏の受験者のデータを基に各国の英語力を指標化したレポートです。

「EF英語標準テスト」、略してEF SETは、インターネット上で利用できる英語のテストです。このテストは読解力とリスニング力を測定するもので、受験者の英語能力を6つのレベルに分けて評価するように設計されています。それぞれのレベルはヨーロッパの共通言語枠組み(CEFR)に基づいています。

このテストは無料でインターネット上で受けることができ、インターネットに接続できる人なら誰でも参加できます。受験者の大半は成人の社会人などの若者です。インターネットにアクセスできない人は自動的に除外されますが、EF SETのサイトは完全に適応型で、受験者の35%がモバイル端末で受験しています。

EF EPIのスコアは、過去2年間のEF SETとEF EPIの結果を元に計算されます。スコアに基づいて、国や地域、都市は能力別のグループに分けられます。これにより、どの国が同等の英語能力を持っているかを認識し、近隣の国と比較することも可能になります。

EF EPIの総合結果:日本は何位?

EF EPIは、各国の英語能力を評価しランキング化するものです。スコアは、非常に高い英語能力を持つ国から非常に低い英語能力を持つ国までを表しています。スコアが高いほど、その国の英語能力が高いと評価されています。

例えば、スコアが600以上の国は「非常に高い英語能力」を持つとされ、その中で最もスコアが高いのはオランダで、スコアは661です。シンガポールは642で2位、オーストリアは628で3位となっています。

一方、日本のスコアは475で、80位にランクインしています。これは「低い英語能力」に分類されます。日本のスコアは、イタリアの548やフランスの541などと比べても低く、英語能力の向上が求められる結果となっています。

また、スコアが最も低い国はラオスで、スコアは364で、111位となっています。これは「非常に低い英語能力」に分類されます。

EF EPIのアジアでの日本の結果とアジアの英語力の特徴

アジア地域におけるEF EPIランキングでは、シンガポールが最も高いスコア642を持ち、アジア内で1位となっています。次いでフィリピンがスコア578で2位、マレーシアがスコア574で3位となっています。

日本はアジア地域内で14位となっており、スコアは475です。これは、シンガポール、フィリピン、マレーシアなどの一部のアジア国に比べて英語能力が低いと評価されています。

また、アジア全体の地域平均スコアは、中国とフィリピンのスコア低下によりわずかに下がっています。しかし、3か国のスコアは大幅に上昇し、2か国はより高い英語能力レベルへと移行しています。中央アジアの英語能力スコアは、3年連続の上昇の後、横ばいとなっています。

さらに、アジアでは中国とインドの影響により、世界で最も大きな性別間の差が生じています。中国では女性のスコアが男性を上回り、48ポイントの差がついています。一方、インドでは男性が優勢で、女性を29ポイント上回る結果となっています。

また、アジアでは年齢グループによる英語能力の差は大きいものの、多くの国でその差は縮小傾向にあります。しかし、中国、インドネシア、日本では若年層の英語能力が30代以上に比べて低く、特に中国では若年層のスコア低下が全体のスコアに大きく影響しています

まとめ:日本人の英語力は低い?

このように、世界的にもアジア内でも日本の順位は決して高いと呼べるものではないことが分かります。

世界的にみれば日本の英語力が低いことが実は大きな問題ではありません。ヨーロッパ諸国と違い、アルファベットを使わない日本人が、新しくアルファベットを覚えて全く異なる文法の言語を習得するのはとても難易度の高いものです。

一方で、同様にアルファベットを使わないアジア圏での順位は気になるかもしれません。シンガポールに関しては英語が共通言語となっているので除外して考えてもよいかもしれません。フィリピンなども幼少期より英語を学び仕事をするのでこれだけの差がついてしまうのは仕方ないでしょう。これらを考えると日本はそもそも「英語が必要ない国」として比較されている状態ということが分かります。

つまり、日本人が英語を学習する能力が低い、というよりもさしせまった現実や環境があるかということが重要だとわかるでしょう。当然公教育において双方向コミュニケーションやアウトプット増加など視点はあると思います。

しかしこれらに頼るのではなく自分から環境を構築する方が早いでしょう。例えば留学は手っ取り早い手段ですがハードルが高いです。なので、まずは目標を定めて必要な環境を作り上げることが大切です。

おすすめの方法としてはまずは大学受験レベルの英語の基礎を学ぶことです。そのあとで、英語でドラマ、ニュースをみつつ学んだ表現をオンライン英会話でどんどん使うことです。目標があなたの人生にとって必要なことであれば必ず上達するはずです。

そして何より大事なことは「完璧を求めない」ということです。英語に完璧はありません。イギリス人の英語とアメリカ人の英語の間にもとても大きな差異があります。

シンガポールで使われている英語も普段聞きなれている英語とはかなり違います。完璧を気にせず、自分なりの英語力を育てていきましょう。

 

情報源: EF EPI

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元英会話教室スタッフで、これまでに30校以上の英会話教室・スクールに足を運んだ筆者が、厳選して選び抜いた英会話スクールをやらせ抜きのランキングでまとめてみました。スクール選びで迷った際はぜひ参考にしてみてください。